おでん教室
海外のおでん事情
- 株式会社紀文食品
タイや中国、香港などのコンビニエンスストアで、おでんをよく見かけるようになりました。日本生まれのおでんが世界進出をしているわけです。昔から親しまれているのが韓国と台湾。ソウルや台北には専門店があるそうです。
韓国

おでんのだしは昆布だしで、ごま油と唐辛子入りのしょうゆをつけて食べます。きき手で串刺しおでんを持ってかじりながら、もう一方の手のカップでおでん汁(つゆ)をすくって飲むのが韓国流。具(たね)は細長い串に棒状や板状の具が刺さっており、具自体をおでんと呼ぶ韓国では、「おでん」は棒状か団子状(昔ながらの日本のおでん)、「テンプラ」は平べったい形と区別されています。

<チョン・テキョンさんのおでんうどん>

汁もののだしは、いりこでとるのが韓国流。甘みの出る大根をだしとして加える場合もある。だしをとった大根も具材として使用。日本の練りもので作るときは、さつま揚など揚げてある種類を使うとおいしくできる。うどんをそうめんに替えて作るのもおすすめ。
台湾

台湾では、おでんを「黒輪(オーレン)」と呼びます。おでんがオーレンになり、それに漢字を当てはめたというわけです。台湾のおでんには汁(つゆ)はなく、ケチャップに砂糖や唐辛子を加えた「甜辣醤(テンラージャン)」がかけられています。鍋の様子はほとんど日本と同じで、「〜巻」や「〜丸」というようにバリエーションも豊富。
マレーシア

マレーシアでは、練りものをゆでてソースで食すおでんを「ロロ」ともいいます。屋台では串に刺して並んでいますが、家庭で作る場合は簡単にお皿に盛ることも。何種類もの具で作るのがマレーシアスタイル。ソースは、マレーシアでも手軽に市販品で済ませる家庭がほとんど。市販品のなかでは、干しエビとハーブ、スパイスを煮つめたマレーチャンソースのほか、日本でもおなじみのスイートチリソースなどもよく合います。
マカオ

マカオのローカルフード「マカオ風カレーおでん」。お店で数十種類の食材(練りものや野菜)から好きなものを選ぶと、ゆでてくれ、カレーソースをかけて食べます。カレーソースは辛さによって数種類選べる場合も。聖ドミニコ教会からほど近い大堂巷には「マカオおでん屋横丁」があります。
シンガポール

シンガポールにもおでんに似た料理があります。「醸豆腐(ヨントーフ)」といい、フィッシュボールと厚揚げ、野菜などの入ったもの。お店では好きな具を自分で選んでお碗に入れ、店の人がそれに澄んだスープを入れてくれます。軽食のような感覚。店によっては、これに麺やごはんを入れて食べることもあります。